FM三重『ウィークエンドカフェ』2014年10月25日放送

60歳以上の男性だけが参加できる料理教室、それが『男の昼めし会』です。
昼めしくらいは自分たちで作ろうというコンセプトからこの名前が決まりました。
そして月1回、栄養士の先生が考えたメニューを楽しくみんなで作っています。
どんなお料理教室なのか、代表の志田米蔵さんに、じっくりと教えていただきましょう。

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■定年退職した後の日々を充実させたい!

在職中は営業をしていて、63歳で定年になりました。
問題は、その明くる日。
なんにもすることがないんですよ。
一日TVを見ているか新聞を読んでいるかで、退屈で仕方がありませんでした。

定年退職した人はだいたい、1年くらいは骨休めと言って、休むようですね。
そして1年を過ぎたあたりから、「何かやってみたいな」という気になるらしい。
定年後の料理は、今まで自分が好きだったことを数えてみた中の一つがそれだったので、始めてみました。
以前から料理は好きでしたね。
家族が楽しむ・・・いや、家族に迷惑をかける程度(笑)

私が料理をしているとき、家内は一切タッチしません。
台所にも入って来ない。
私1人で、集中して料理を作っていますから。
そして最終的に味を見てくれるのが、家内。
それでOKであれば、その日の夕食のうちの一品となるわけです。


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■『男の昼めし会』をすることになったきっかけ

市民センターなどの料理教室で、女性の中に入って料理をしていたんですが、やはり女性は手際が良く、うまいんですよ。
そして、わざと私の前で「こんなに上手にできるんですよ」と見せつけるんです(笑)。
人参の千切りなんて、機械でやったのかなと思うくらいすごかったです。
これではいかん、男性は男性同士、ヘタはヘタ同士で気兼ねせずにしようということで、『男の昼めし会』をスタートしたんです。
『男の昼めし会』には年齢制限があり、参加資格は、定年退職の60歳から。
市の広報に掲載したところ、じゃんじゃん電話がかかってきて、すぐに16名の参加が決まりました。
それが丸2年前です。
第1回目のメニューは。鯖の味噌煮、ほうれん草と小松菜のおひたし、粕汁、それから黒糖まんじゅう、この4品を作りました。
慣れていないものだから、みんな無我夢中で一生懸命でした。

今では『男の昼めし会』だけではなく、『男のスイーツ会』や、男の居場所と
仲間づくりを目的とした『男の囲炉裏端会』も開催しています。


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■第1回目は大成功! 料理づくりは刺激的!

最初、料理教室をしたいと、公民館の職員に相談に行ったところ、たまたま、料理教室を開催していた、栄養士の福井幸子先生を紹介されたんです。
そこで『男の昼めし会』の講師をお願いしたところ、快諾していただき、それ以来のお付き合いです。
実は男性だけということもあり、ちゃんと説明が伝わるのか、など悩んだそうですが、やってみようということで。
以来ずっと、講師として指導してもらい、レシピを作ってもらっています。

第1回目から不思議なことに、本当に美味しかったんです。
おそらく、先生のレシピが良かったんでしょうね。
もしそのとき美味しくできなかったら、次に続かなかったと思うんです。
最初でこれだけ美味しくて、まんじゅうまでできたということで、みんなが自信を持ったんですね。
家に帰ってからその料理を作った方もいます。
ただ、男性なので困ったこともありました。
さじ加減とか、小さじ、大さじの区別がつかなかったり、ボウルなどの調理器具の名前がわからない人がたくさんいたんです。
包丁も、在職中はほとんどにぎったことがなく、ほぼ初めてにぎるという人も。
かなり苦労したというか、刺激的だったと思いますね。

料理は自然にできて当たり前なんですが、そこまで到達するのに初心者だと、時間がかかります。
正直、あまり続かず一年ぐらいで終わりかな、と思っていたのに、誰もやめないんですよ。
ハマってしまったと言うか。
家でもしていると思うんですが、家の人からの助言、後押しがあるんじゃないでしょうか。
その言葉に勇気をもらって、続けているんじゃないかな、と思います。

定年後は会社と縁が切れるので、まったく連絡しなくなってしまう。
しかしこの料理会では、横のつながりができる。
これはとても良いことだと思いますね。


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■『男のマドレーヌ』を販売!

11月8日に楠公民館に集まって、『男のマドレーヌ』を作る予定です。
数は256個!
これを、翌9日の『港地区交流会』で販売するんです。
新たなチャレンジですね。
ハードルをちょっとずつ上げるとレベルも上がるし、目標ができるとメンバーもまとまりやすいでしょう。
10月17日に、公民館でちゃんとリハーサルもします。
ちょっとずつハードルを上げていくのは、意外と面白いです。
けっこう反対もありますが、ちょっとずつ上げていかないと、いつまでたっても同じことの繰り返しでしょう。
こういうのをクリアすると、喜びも違うと思うんですよね。